EXCELテレワーク

[RPA・EXCEL]エクセルの「社内下請け」が会社をダメにする

社員間で行われる「社内下請け」

あなたの職場ではエクセルは正しく活用されていますか?

エクセル業務は「作る人」と「作ってもらう人」に自然と役割り分担されてしまう、という「社内下請け」の実情について見てみたいと思います。

「できる人」の時間を奪い、「できない人」のスキルアップ機会を奪い、会社全体の生産性を奪い会社をダメにしてしまう「社内下請け」は日本企業でよく見られる現象です。

エクセルができる人 できない人

ある程度システム化が進んだ企業でもエクセルで作成された資料は無数に存在します。

各部署の「誰か」がエクセルを使って必要な資料を作成し、必要としているだろう人へ配布するといった無言の、かつ無統制のルーチンが回っていますが、各部署の「誰か」は集計担当として配属されているわけではありません。

エクセルが他のメンバーと比べて長けているために、本業に加えてエクセル業務をを引き受けざるを得なくなってしまった少数の「できる」人たちです。

社内では1人1台パソコンが支給されているが、使う使わないは本人の自由という都合の良い解釈がまかり通っており、「エクセルで業務を処理しないといけない」といった規則などは存在しません。

依頼主も受託者も給料を貰う社員

「私は文系なのでエクセルは見るだけ」と『不使用宣言』をする輩も居ます。

こんな人達に限って配布された資料に対しカスタマイズ要望を出すものです。「小計も欲しいな」、「集計項目を増やして欲しい」、「月度計も作ってほしい」、等々要求は尽きません。

配布側は仕方なく尽きない要求に応えることを続けて行くうちに作る人と作ってもらう人という「社内下請け」とも言えそうな分担ができあがります。

恐いのはこの事を会社が把握していない、また責任を感じていないという事実です。

パソコンを配布しているシステム部署も「会社方針で1人1台貸し出しているだけ」で「活用に関しては本人責任」、との見解。

人事は部署内の作業分担は部署の責任であって、パソコン能力差については「個々がビジネススキル向上に努めるのは当然のこと」と考えています。ペン習字等と同じような扱いですね。パソコンスキルが必要な部署へ異動発令時もスキル差の考慮は当然できていません。

直属の上司は?と言えば世代からしてもITに関する事としてノーコメント。エクセルを駆使して他人の3倍の業務をこなしたとしても評価とは無関係です。

エクセル資料を作成配布する側に一方的に負担がかかる環境が揃っていました。

恐らくこんな会社は最悪の事例でもなく日本の企業ならどこにでも当てはまるエクセル事情ではないでしょうか。

EXCELはパソコンのおまけ?

現場でそんなことが起こっている原因はエクセルを甘く見ている事に尽きます。

パソコン業務に無関心で、危機感も感じていない管理職を許す「甘やかし体質」とも言えます。

「あー、エクセルね。僕のパソコンにも最初から付いてますよ。」

意識の低い方は「おまけ」と思っているようですが、会社はマイクロソフト社へ社員数ぶんのライセンス料を支払っているはずです。

エクセルとは「一部の専門職」が定期帳票を作成配布するための集計専用ソフトなどではなく全社員が駆使すべき業務の基盤「分析の手段」のはずです。

「分析」と「集計」は似て非なるもの。「分析」とは将来の新しい価値を創造する行為、に対して「集計」は過去の事実を集めて整理することであります。

集計係に追込まれた人は分析の時間を犠牲にして集計に明け暮れており、一方見るだけを決め込んだ人たちは本来の情報分析を放棄してしまっています。

会社のこの「甘やかし体質」を改めて、本来の分析プロセス共有ツールとして真価を発揮できたらきっとすごい改革につながるはずです。この事を正確に伝えることができたら、確実に会社は変わるのですが。

EXCELの真価

エクセルには2つの側面があります。「分析」と「集計」です。

「分析」は新しい価値を発見する行為、会社にとって利益を生み出す源泉なので全員が時間をかけて取り組むべきです。

逆に「集計」は分析時間を造り出す為の情報整理行為と言えます。定型的な動作には時間を掛けるべきではありません、できれば「自動化」したいものです。

エクセルの処理速度は、処理前処理後の見栄えが全く同じでも使う機能により、数百倍の差が出ます。条件により最速は自動化で、処理時間はゼロです。

また社内業務の7割はエクセルで自動化が可能と言われています。フル活用すれば外注システムは30%以内で済みます。

エクセル本来の機能を全社員が利用することで、低コスト高品質経営が可能となります。

自動化へのアプローチ

業務自動化の方法はいろいろありますが、エクセルであれば「自動記録マクロ」、「VBA」(プログラミング)があり、最近ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目を浴びています。

これら自動化技術を、「適用できる部分だけ」に適用する、という安易な方法を取ると、「できる人」「できない人」に「自動化できた人」が加わるだけに終わってしまい、「社内下請け」は終わりません。

全体の効率を上げるには

社内でいちばん効率の悪い業務から順に
「共有」→「標準化」→「定型化」を経て、

RPA等の方法を使って
「定型化」→「自動化」のプロセスを実現させます。

自動化の優先を「もう少しで自動化できる業務」から「社内下請け対象業務」に注目し、「できない人」をフォーカスすることで、会社全体として大きな効果を上げることが可能となります。