
「報告書」「申請書」のフォーマットは「標準化できていない」とよく問題にされる代表選手です。報告の到達範囲やルートは適正か?末端の情報が経営層にまで届くように設計されているか?部署毎に作った申請書の配布方法や様式がバラバラではないか?自部署に必要な項目だけを対象にするため類似の申請が重複していないか?等々です。
「報告書」や「申請書」が標準化されていないのは、「各部署がエクセルを使って勝手にフォーマットを増やすことが原因」と言い出す人も居ます。「エクセルは各人好き放題作れるからな」「標準化できないところがエクセルの弱点だ」などとエクセルのせいにしてしまう無責任な人も出てくることもよくあります。
「標準化」できていない、という表面的な現象に対して単純に「標準化」(統一)すれば良いのだ、と一夜漬け式に対応したり、それらしいシステムを慌てて導入して失敗につながることが多いので注意が必要です。
「申請書」を作った道具の問題でもなく、「申請書」の外見が標準化されていないのではなく、その背景にある「業務」が標準化されて来なかったことが原因であった、と反省が必要です。
道具では解決しない「標準化」
「標準化ができてない」と嘆く上層部の方をよく見かけますが、おそらくどこかの営業に吹き込まれたのでしょう。大半の企業でできていない「標準化」はシステム販売の殺し文句として多用されています。
元はと言えば高額のシステムを導入したが「洩れ」があったり、AシステムとBシステムの仲介作業や、あちこちの中途半端なデータを集めて上層部の希望通りの帳票を人力で四苦八苦して作成しているのに‥です。
エクセルが標準化されていないのではなく「社内が標準化されていない」のです。
「働き方改革」をキャッチフレーズにいろんな装置が売り出されていますが、苦労いっぱいのエクセル業務を非難するような間違ったセールスには気をつけたいものです。
「標準化」は個々に言っても無駄
「標準化ができていない」という問題はほとんどの会社で言える現象ですが‥
「標準化ができていない」から慌てて何かを部分的に修正すれば「標準化できた」というような手品のような現象は絶対に起こりません。
また「ちょっと厄介な問題」という扱いで、いつものようにわりと仕事のできる人に丸投げすれば何とかなる、という問題でもありません。
しかしなぜかエクセルフォームの標準化問題のターゲットになるのは「エクセル業務現場」です。「もう少しよく話し合って、それぞれが標準化への努力を」というような指示が出るのも「打つ手がない」ことを白状しているのでしょうか。
「共有」と「情報の置き場」
エクセル業務現場も個別業務の流れで見れば「末端」の存在です。個々の業務現場で勤務する個人も「末端」であり、使っているフォームもすべて「末端情報」を表わす存在なので、ここから「社内の標準」は見えることはありません。
しかしこれら「末端情報」を一か所に集めて、必要なものを自由に取り出せ、全体像が見えるようになると事情は違ってきます。
一か所に集める「情報共有」は、情報の「重複」「欠落」、さらには「新情報」を生み出す可能性を与えるのです。社内の全フォームを一か所に置いて、社内の誰もが必要なフォームを必要な時に自由に取り出せるようになれば、はじめて標準化へのアイデアが徐々に湧いて来ます。
「情報共有」のためには「情報の置き場」が必要になります。
「e-portal」情報の置き場
各部署が作成した「エクセルフォーム」を決められた「情報の置き場」で「共有」することで標準化の方向は見えてきます。
問題は一般のシステム(例えば文書管理システム)は大きな費用を要する、不慣れな人が使いにくい、文書管理だけなのでシステムだらけになる(システムの分散化)などです。
「e-portal」のベースはEXCELです、EXCELだからEXCELの共有がスムーズにできるのです。


社内Formメニューの効果
まずは「今使っているフォーム」をすべてメニューに公開します。公開にあたりあわてて見栄えを統一したり無理な改廃の必要はありません。
全員が同じメニューを使い、必要な時必要な人だけが「必要な情報を探す」という環境、習慣が根付き、共有の中で自然と「標準化」が実現できる会社へと育っていきます。
会員ページ →社内Formメニューの使い方