役割分担
「RPAが導入されたら、毎日エクセルで仕事をしている人間は要らなくなるのでは?」という心配が絶えないようです。
世間では確かにRPA人気が過熱しており、「?万時間削減」や「人員削減」といった過激なネット記事やCMもよく見かけます。「脱EXCEL」や「まだEXCELを使ってるのですか?」といった脅しのようなものもあるようです。
新しい装置が人間の代わりを果たせるのでしょうか?
RPAの役割り
RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語で、「ロボットのようにPC作業過程を自動化する装置」を指します。
RPAは人間が与えた指示(シナリオ)を忠実に実行するだけです。シナリオとは、パソコン上で行う動作を順番に細かく登録したもので、実行時刻が来ると、登録されたシナリオの動作をその通り実行することだけが「RPAの役割り」と言えます。
このように人間に代わって「作業代行」はしますが、代行する作業はもちろんRPA自身が決めているはずはなく、結局は人間が依頼しているのですが、元々のシステムやパソコンに「自動実行」能力があるのならそれで済んでいたはずで、無いからRPAという新装置が売り出されただけのことです。
エクセルの役割り
実はEXCELにも「自動実行」の機能は標準で装備されていて、社内の大半の業務をEXCELだけで自動化しようと思えばできないことはありません。
ただし得手不得手があって、EXCELではEXCEL以外のアプリケーション操作の自動化は難易度が高いため、EXCELにとってはパソコン上の全操作を自動化できるRPAは有難い存在である、と言えます。
いっぽうRPAはパソコン上で実行する動作の代行はできますが、EXCELというアプリケーションになり変わる事はできませんので「エクセルに取って代わる」という表現は適切ではありません。
クラウド型RPAの一部に、Webアプリケーション以外は扱えない製品もありますので注意が必要です。Web画面しか自動実行できない、とは当然EXCELへもアクセスできません。
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エクセル業務はどうなる?
RPAがEXCELというアプリケーションになり変わる事はできない、言いかえればEXCELでしかできない、とはどのような業務を指すのでしょうか?
RPAとEXCELのどちらでも出来る作業は「定型操作」だけです。
「定型操作」以外の全操作がEXCELにしかできない、RPAにはできない操作と言うことができます。ではこのEXCELにしかできない、とはEXCELが自発的に処理している?ということでしょうか?
人間の役割り
「定型操作」以外の全操作はEXCELにしかできない、という事は言い換えれば、定型操作以外は全て人間が関わる「人的エクセル業務」である、という事でもあります。
もしも社内の全業務が100%完全に自動化・システム化できていれば「人的エクセル業務」など存在しないはずなのですが、システムの届かない部分を補ったり、システム間の連携をあの手この手で繋いだり、アナログ情報をシステムへ入力したり、システムから出たデータをわかりやすい帳票に再加工したりといった内容です。もつれた糸を解きほどくような「人的エクセル業務」は無数に存在し、企業が存続する限り新しい課題は増え続けているのです。
エクセル業務には「自動化可能部分」と「開拓部分」2つの側面があって、すべてをRPAに代行させる事はまず考えられません。「脱EXCEL」などと言い出す人は2つめの側面、つまり未開拓のアナログ業務を人間の手でEXCEL化することの苦労や重要性がわかっていないのです。
人間の手で「定型化」できた業務からRPAに任せ、人間はもっぱら増え続ける未整理業務を整理し、「定型化」してRPAへどんどん依頼できるようになれば会社全体の生産性は飛躍的に改善され続けます。
未整理業務を整理、定型化=「業務の標準化」実現の為にはエクセルは都合の良い道具と言えます。本来の「標準化」とは、個別業務からボトムアップ式に結実した産物であるのが正常な姿です。
業務の標準化
個別業務の「定型化」を積み上げることから「標準化」は生まれます。
しかしエクセルで処理することが多い個別業務は、パソコン作業でありながら把握し辛く、個人任せのまま放置されることも多く、把握が困難となってしまう傾向があります。
個別業務を正しく積み上げ、「標準化」させるためには、まずは「業務の見える化」が必要となります。
エクセル業務の見える化
エクセル業務の見える化 → 標準化 → RPAフル稼働(コストメリット)
見えなかった個別業務も、業務の処理手順が「定型化」できればRPAに教え込むことでRPAとしても本領を、またフル稼働によるコストメリットを発揮できることになります。
時に「属人化」「ブラックボックス」と非難されるエクセル業務は、早急に「見える化」させることが必要です。見える化によって、個別業務はひとつの強固な基礎として認識されることになり、基礎の上に新しい価値が創造されることが可能となります。
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RPAはこんな地盤・基礎の上だけに成り立つ → 開く
社内フォームの標準化にはこんな環境が必要 → 開く
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